MESSAGE
代表ごあいさつ
山林の恵みを通して人々の幸せと
豊かさの実現に寄与する。
杉や桧の高樹齢の林に入ると、風にそよぐ枝の音や鳥の声が聞こえ、何となく空気が緑っぽく荘厳な感じが漂っています。たたずんでいると心が洗われます。私の好きなひと時です。
私たちは紀州の地で永年にわたり木を育ててきました。曽祖父の代に植えた木が百年を越えて今も育ち、祖父の代に植えられた木を伐って、皆様の住宅用材としてお届けするという大変息の長い仕事です。
その木は山村に生活する多くの人の継続的な労働と50年を超える時の経過によってはじめて立派な木に育つのです。歩いて1時間もかかろうかという山の上に育っている立派な杉桧の森林を見るとき、植林に、またその後10年間の下刈に毎日炎天下で労働に携わった方々のご苦労を思い、頭が下がります。
私の祖父は木を植えて手入れをする林業一筋にやってきましたが、自分の育てた木を自分の手で加工し、消費者に届けることを念願としていました。父は林業経営を拡大し、製材所を経営し、戦後の復興期に紀州材を東京の木場の問屋さんに届けてきました。
家の材料を工場で加工するプレカットの出現で、木材の供給体制はすっかり変わってしまいました。私たちも平成9年にプレカット工場の操業を開始し、構造材として最高級の品質を持つ紀州の木を活かし、細部にまで気を配り、工務店さまと匠の心を共有して、加工するお手伝いをさせていただいて参りました。
特に早くから取り組んできた、杉桧の芯持ち材の高度な乾燥技術と品質管理、それを使用した綺麗な木部を表した複雑な“木の家”のプレカット加工は、私たちの得意とするところです。また、山からの一貫生産体制は、国産材を使用した家づくりにおける、私たちの責任を持った役割を、もっとも果たせる仕組みであると考えています。
“山林の恵みを通して人々の幸せと豊かさの実現に寄与する。”を企業理念として、技術革新にも積極的に取り組みながら、日本の林業の持続的経営を通じて、社会に貢献してまいりたいと考えています。
株式会社山長商店 代表取締役会長 榎本 長治